0.対象とする物理モデルを決める。
1.物理モデルを離散化する(差分法や有限要素法などを用いる)
2.離散化して作られた連立一次方程式 Ax = b を解く(ガウスの消去法などの直接解法や、SOR法,CG法などの反復解法を用いる)
これだけです(時間依存問題などの場合は、1と2を繰り返したりはしますが)。ここの1と2でコンピュータの力を借りるわけですが、これは、絶対にコンピュータでなくちゃだめ、というわけではなく、別に自分で計算しても構いません。しかし、膨大な計算になって、1つのモデルを解析するのに1年とか掛かってしまったら仕方がないですね。
天気予報を例に挙げると、明日の天気が知りたい、という場合に、今日計算を始めて明日までに予報が出来ないと意味が無い、ということです。計算は速いに越したことは無いのです。そんなわけで、残念ながらぼくは現在のコンピュータより計算が遅いので、パソコンなどを使って計算します。また、解法もより速いものを追求しなければなりません。
ここで、係数行列 A に注目します。1で離散化手法に差分法や有限要素法を用いると、係数行列は対称行列やスパース行列(疎行列とも言い、要素にゼロが多い行列)になります。
直接解法は、非常に安定した方法なので、これを使うに越したことはないのですが、係数行列の性質を利用しないで計算するのは不経済だし、また時間も掛かります。そこで、反復解法が有力な手段になるわけです。