Windows

• Visual C++
• Visual Fortran

FreeBSD 2.x.x

• gcc
• g77

Linux / FreeBSD 3.x以降用

• gcc
• g77

Windows用

Visual C++

• Microsoft Visual C++ 6.0を例に説明します。
  必要なヘッダファイルは「float.h」で、使用する関数は「_controlfp」です（アンダースコア`_'に注意してください）。_controlfp(_RC_NEAR, _MCW_RC) で最近点への丸め（デフォルト）、_controlfp(_RC_UP, _MCW_RC) で上への丸め（＋∞方向への丸め）、_controlfp(_RC_DOWN, _MCW_RC) で下への丸め（−∞方向への丸め）、_controlfp(_RC_CHOP, _MCW_RC) で切り捨て（ゼロ方向への丸め）、となります。
  Microsoft Visual C++ 6.0でのサンプル

  
  

  Fortran

• Compaq Visual Fortran 6.0-6.6
  以下のサブルーチンを参照．
  Compaq Visual Fortranでのサンプル
  
  
• Microsoft FORTRAN PowerStation 1.00
  残念ながら、FORTRAN77では、そのまま丸め方向の指定をする命令がありませんので、ここではC言語を利用して実現します。このとき、上記のMicrosoft Visual C++ 5.0による説明が役立ちます。いろいろな方法があるかもしれませんが、最も簡単なのは、C言語からコンパイルされたオブジェクトを利用することだと思います。そこで、まず、このようなC言語のファイル（仮にファイル名を「ccc.c」とします）を用意して、コンパイルしておきます。これにより、「ccc.obj」等のオブジェクトファイルが出来るはずです。次に、実行したいFortranファイルの先頭にこれを追加します。そして、Fortranのプロジェクトに先ほどの「ccc.obj」を追加します。これで、「call Down」、「call Up」等でC言語の関数が呼び出せるようになりました。このとき、サブルーチン名の大文字や小文字に注意してください。あとは、実行したいFortranファイルをビルドして実行するだけです。また、サブルーチンの中で丸めモードを変更したい場合は、各サブルーチンの先頭にこれと同様の記述を追加すれば良いです。
  Microsoft FORTRAN PowerStation 1.00でのサンプル
  
  
• 他のFortranコンパイラ（Digital Visual Fortran 6.0など）での注意事項。
  型宣言「IMPLICIT REAL*8 (A-H, O-Z)」の上にあるか下にあるかによって、コンパイル時にエラーが出る場合があります。特に、Visual Fortran（Microsoft, DEC, Compaq）では、上記のMicrosoft FORTRAN PowerStation 1.00でのサンプルのように書くとエラーが出ますので、このように修正します。要するに、「IMPLICIT REAL*8 (A-H, O-Z)」の下にC言語へのインターフェイスを書けば良いということです。逆に、Microsoft FORTRAN PowerStation 1.00ではこのように書くとエラーが出ます。

  これは私見ですが、この例に限らず、Windows専用Fortranコンパイラでは、C言語の関数をFortranに組み込んで使うのが、コンパイラに応じて書式が違ったりして面倒です。フリーですべて揃えたい場合はCygwin(GNU-Win32)でgcc＆g77を使う手も考えられますが、せっかく高価なCコンパイラ・Fortranコンパイラがあるのだから、という場合はマニュアル・ヘルプ・Web等を駆使して使えるようにがんばりましょう。

FreeBSD 2.x.x用

C言語

• GCC(GNU C Compiler) version 2.95.2を例に説明します。
  必要なヘッダファイルは「floatingpoint.h」で、使用する関数は「fpsetround」です（floatingpoint.hは、/usr/include/machine/にある）。fpsetround(FP_RN) で最近点への丸め（デフォルト）、fpsetround(FP_RP) で上への丸め（＋∞方向への丸め）、fpsetround(FP_RM) で下への丸め（−∞方向への丸め）、となります。
  GCCでのサンプル

  
  

  Fortran

• G77(GNU FORTRAN77 Compiler) version 2.95.2 compiled by GNU C version 2.95.2)を例に説明します。
  gccは使用可なのにg77が使用不可、という場合は、このページを参考にしてください。
  Windows版と同様にC言語を利用して実現します。まず、このようなC言語のファイルを用意します（仮にファイル名を「ccc.c」とします）。このとき、Cの関数名には「near_」のようにアンダースコア`_'を付けることに注意してください。これで、「call down」、「call up」等でC言語の関数が呼び出せるようになりました。特別にオプションを指定しなければ、サブルーチン名の大文字や小文字はすべて小文字として処理される（と思う）ので、Cの関数名は「near_」のように(小文字の関数名)+(アンダースコア)で名付けたわけです。あとは、実行したいFortranファイル（仮にファイル名を「fff.f」とします）といっしょに以下のようにコンパイル〜実行するだけです。
  
  % g77 ccc.c fff.f
  % ./a.out
  
  最適化オプションや実行モジュール名を指定する場合は、
  
  % g77 -O2 ccc.c fff.f -o fff.exe
  % ./fff.exe
  
  のようになるでしょう。
  G77でのサンプル

Linux / FreeBSD 3.x用

C言語

• GCC(GNU C Compiler)を例に説明します。
  必要なヘッダファイルは「fpu_control.h」で、使用する関数は「_FPU_SETCW」です。
  GCCでのサンプル１
  また、Pentium II, IIIなどのCPUの場合は、アセンブラを用いるこのような方法があります。Near で最近点への丸め（デフォルト）、Up で上への丸め（＋∞方向への丸め）、Down で下への丸め（−∞方向への丸め）、となります。
  GCCでのサンプル２

  
  

  Fortran

• G77(GNU F77)を例に説明します。
  gccは使用可なのにg77が使用不可、という場合は、このページを参考にしてください。
  Windows版と同様にC言語を利用して実現します。まず、このようなC言語のファイルを用意します。あとは、FreeBSD 2.x.x用の場合と同じです。
  G77でのサンプル１
  アセンブラを用いる場合は、このようなC言語のファイルを用意します。
  G77でのサンプル２
  

参考文献

• 大石進一著：精度保証付き数値計算（コロナ社）
• Microsoft Visual C++ 5.0 のヘルプ